こんにちは、独立系FPの中央線FPオンラインです。
「老後2000万円問題」という言葉が話題になって久しいですが、実際、老後の生活には一体いくらのお金が必要なのでしょうか? 不安に感じている方も多いかもしれません。

今回は、FPである私が、老後資金の必要額を自分で簡単に計算する方法をステップ形式で解説します。漠然とした不安を解消し、具体的な目標額を設定することで、今から備えるべき金額が見えてきます。
ステップ1:老後の生活費を把握する
まず、老後に毎月どれくらいの生活費がかかるのかを把握しましょう。総務省の家計調査報告(高齢夫婦無職世帯・単身無職世帯など)を参考に、ご自身のライフスタイルに近い金額を推測してみましょう。
【参考:平均的な生活費(2024年)】
- 高齢夫婦無職世帯: 約27万円/月
- 高齢単身無職世帯: 約16万円/月
ただし、これはあくまで平均値です。以下の点を考慮して、ご自身の生活費をより具体的にイメージしてみましょう。
- 住居費: 持ち家か賃貸か、住宅ローンの有無など
- 食費: 自炊中心か外食が多いか
- 光熱費: 住宅の断熱性や家族構成など
- 医療費・介護費用: 健康状態や将来の備え
- 趣味・娯楽費: 旅行や習い事など、どのような生活を送りたいか
- その他: 被服費、交通費、交際費など
ご自身の状況に合わせて、上記の項目を一つずつ अनुमानし、毎月の生活費の合計額を算出してみましょう。
ステップ2:公的年金の受給額を把握する
次に、老後に受け取れる公的年金(国民年金・厚生年金)の受給額を把握します。
- 「ねんきん定期便」を確認: 毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」には、将来受け取れる年金の目安額が記載されています。
- 「ねんきんネット」を活用: 日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」に登録すると、より詳細な年金見込額を確認できます。
ご夫婦の場合は、それぞれの年金受給額を確認し、合計額を把握しましょう。
ステップ3:老後資金の不足額を計算する
ステップ1で算出した「毎月の生活費」から、ステップ2で把握した「毎月の年金受給額」を差し引くと、毎月どれくらいの資金が不足するかが分かります。
毎月の不足額=毎月の生活費−毎月の年金受給額
もし、年金だけで生活費が賄える場合は、老後資金の心配は少ないと言えるでしょう。しかし、多くの場合、不足額が生じる可能性があります。
ステップ4:不足期間を考慮して必要な老後資金を計算する
ステップ3で算出した「毎月の不足額」に、老後の生活が続く期間を掛け合わせることで、概算の老後資金必要額を計算できます。
老後資金必要額=毎月の不足額×老後の生活期間
老後の生活期間を何年と想定するかは、個人の考え方によりますが、平均寿命や健康寿命などを参考に、長めに設定しておくのが安心です。例えば、65歳から100歳まで生きると仮定すると、35年間となります。
【計算例】
- 毎月の生活費:27万円(夫婦)
- 毎月の年金受給額:20万円(夫婦合計)
- 毎月の不足額:27万円 – 20万円 = 7万円
- 老後の生活期間:35年(65歳~100歳)
- 老後資金必要額:7万円 × 12ヶ月 × 35年 = 2940万円
この計算例では、約2940万円の老後資金が必要となる試算になります。
老後資金を準備するためのヒント
目標額が分かったら、今から計画的に老後資金を準備していくことが大切です。
- 貯蓄の習慣化: 毎月決まった金額を貯蓄する習慣をつけましょう。
- 資産運用を検討: 預貯金だけでなく、投資信託やiDeCo、つみたてNISAなどを活用して、効率的に資産を増やしていくことを検討しましょう。
- 支出の見直し: 無駄な支出を削減し、貯蓄に回せるお金を増やしましょう。
- 長く働く: 定年後も可能な範囲で働くことで、収入を維持し、貯蓄を取り崩すペースを緩やかにできます。
- 公的制度の活用: 医療費控除や高額療養費制度など、利用できる公的制度がないか確認しましょう。
FPからのアドバイス
老後資金の必要額は、個々のライフスタイルや価値観によって大きく異なります。「〇〇〇〇万円必要」という画一的な情報に惑わされることなく、ご自身の状況に合わせて試算することが重要です。
今回ご紹介した計算方法はあくまで概算であり、より詳細な資金計画には、将来のインフレ率や税金、突発的な支出なども考慮する必要があります。
もし、老後資金について具体的な不安や疑問をお持ちでしたら、お気軽にFPにご相談ください。お客様一人ひとりの状況に合わせた、最適な資金計画をご提案させていただきます。
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